姫野カオルコさんのこと

一昨日の16日に第150回直木賞が発表され、朝井まかて氏と共に姫野カオルコさんが受賞されました。
 少しおおげさな言い方をすれば姫野さんは私のこれまでの人生の中で、家族以外で最も影響を受けたうちの一人かもしれません。
姫野さんが書かれる文章というのは、授賞式でのジャージ姿でもおわかりになるように大変なユーモアとサービス精神にあふれているのですが、それだけではなくどの作品からも姫野さんの心の強さ、清らかさ、そして時には真っすぐ過ぎて読んでいるこちらが息苦しくなるほどの崇高な精神が感じられるのです。下ネタでさえ崇高、とういうのは姫野さんにしか出来ないことだと私は勝手に思っているのですけれど。
 
姫野作品の処女三部作(とファンの間では言われている)の「ドールハウス」「喪失記」「不倫-レンタル-」を20代で初めて読んだ時、なぜだか「救われた」と号泣したのを今でも思い出します。そしてあれから20年近くの歳月を経て直木賞受賞を知った日に、思わずまた泣いてしまいました。姫野さん、本当におめでとうございます。